FDAに払う費用はゼロ
最初に、誤解が多い点をはっきりさせます。
| 手続き | 公的機関への支払い | 備考 |
|---|---|---|
| FDA食品施設登録 | 無料 | FDAは登録手数料を徴収していません |
| 隔年更新(10/1〜12/31) | 無料 | 更新手数料もありません |
| DUNS番号の取得 | 無料 | Dun & Bradstreet社が無償で発行(有料の優先処理は別) |
| Prior Notice(事前通知) | 無料 | 提出自体に手数料はありません |
「FDAへの登録料」を請求されたら確認してください
FDAは手数料を取りません。したがって「FDA登録料」という名目の請求は成立しません。代行業者の作業料金であれば正当ですが、その場合は「代行手数料」と記載されるはずです。名目を確認してください。
あわせて 「FDA承認」は存在しない もご確認ください。存在しない制度を前提にした請求が行われることがあります。
何にお金がかかるのか
実際に費用が発生するのは、次の3種類です。
- 代行費用 — 手続きを業者に任せる場合の作業料金
- 役割の引受料 — U.S. Agent や FSVP Importer といった、米国内の主体を担ってもらう対価
- 実費 — ラベルの作り直し、栄養成分の分析試験など
このうち2つ目が、日本企業にとって避けられない費用です。 U.S. Agent も FSVP Importer も「米国内に所在すること」が要件のため、 米国法人を持たない限り自社では担えません。
初年度の総額 — 3パターン
状況によって総額は大きく変わります。当社の料金を例に、3つのパターンで示します。
パターンA|米国側に買い手がいる
最も費用が軽いケースです。買い手がFSVP輸入者を担うため、そこの費用が発生しません。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| FDA施設登録+U.S. Agent 初年度 | $800 |
| ラベル・表示レビュー(1SKU) | $400 |
| 初年度合計 | $1,200 |
パターンB|これから買い手を探す(FSVPの引受が必要)
展示会やサンプル出荷から始める場合です。FSVP輸入者の席が空いているため、そこを埋める必要があります。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| FDA施設登録+U.S. Agent 初年度 | $800 |
| ラベル・表示レビュー(1SKU) | $400 |
| FSVP Importer 引受 初期費用 | $2,500 |
| FSVP 年額(供給者1社・5SKUまで) | $1,800〜 |
| 初年度合計 | $5,500〜 |
パターンC|まず最小構成で始める
「とりあえず登録だけ済ませたい」という場合です。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 輸出スターターパック 施設登録+U.S. Agent 初年度+DUNS取得サポート+ラベル1SKU | $1,800 |
| 初年度合計 | $1,800 |
2年目以降のランニング費用
| 項目 | 費用 | 頻度 |
|---|---|---|
| U.S. Agent | $450 / 年 2年一括 $800 | 毎年 |
| 隔年更新の代行 | $300 | 2年に1度(偶数年) |
| FSVP 維持(該当する場合) | $1,800〜 / 年 | 毎年 |
| Prior Notice | $50 / 回 月額 $200 で無制限 | 出荷ごと |
| ラベルレビュー(新商品追加時) | $300〜400 / SKU | 都度 |
買い手が決まっていてFSVPが不要なら、2年目以降の固定費は年450ドル程度です。 商品を増やすときにラベルレビューが加わる、という構造になります。
なぜ業者によって価格が10倍違うのか
調べると、同じ名称のサービスで極端に価格差があることに気づくはずです。 たとえばFSVPは、350ドル程度から年間1万ドル近くまで幅があります。
理由は単純で、「同じ名前で、やっている作業がまったく違う」からです。
| 安価なサービス | 本来必要な範囲 | |
|---|---|---|
| 作業内容 | 通関申告欄に名前を入れる | 危害分析・供給者評価・検証活動・記録の作成と保持 |
| 継続性 | 都度 | 年間を通じた継続的なプログラム |
| 指摘を受けた時 | — | 輸入者宛てに警告書が届く |
FSVPは「書類を1枚出して終わり」ではありません
FSVPは、外国供給者が米国の食品安全基準を満たしていることを検証し、記録を保持し続けるプログラムです。FDAの輸入時検査ではFSVP関連の指摘が多く、警告書は輸入者宛てに発出されます。
極端に安い価格が提示されている場合、検証活動が実際に行われるのかを確認してください。行われていなければ、指摘を受けた時点で輸入が止まります。安く済ませたつもりが、結果的に最も高くつきます。
見落とされがちな費用
手続き費用以外に、次のような支出が発生することがあります。
- 栄養成分の分析試験 — Nutrition Facts の数値を持っていない場合に必要。ラベル要件を満たすための前提
- パッケージの作り直し — 米国向けの表示は日本語ラベルの英訳では足りず、書式から作り直しになります。印刷後に判明すると最も高額になる項目です
- 処方の変更 — 日本で認可されている添加物が米国で未承認の場合、原材料の見直しが必要になることがあります
- DUNS番号の優先処理 — 通常30営業日のところ、急ぐ場合は有料の短縮サービスを使うことになります
- FCE / SID の取得 — レトルト・缶詰など低酸性食品の場合。殺菌工程の妥当性確認は第三者機関が行います
自社の場合いくらになるか、3分で分かります
商品カテゴリを選んで質問に答えると、必要な手続きが必須・条件付き・推奨に分かれて表示されます。所要期間と費用の目安つきです。無料でご利用いただけます。
無料で規制診断を始めるよくある質問
施設登録とDUNS番号の申請は、英語での入力ができれば自社で行えます。FDAへの支払いもありません。ただし U.S. Agent だけは自社で埋められません。「米国内に事業所または住所を持ち、物理的に米国に所在すること」が要件のためです。ここは誰かに依頼する必要があります。
為替により変動しますが、パターンA(買い手あり)の$1,200で、おおむね18万円前後が目安です。パターンB(FSVP込み)の$5,500では80万円前後になります。当社の請求は米ドル建てのため、実際の負担額は決済時のレートによります。
当社が米国法人であり、U.S. Agent と FSVP Importer を自社で担えるためです。日本の事業者が同じサービスを提供する場合、米国側の提携先に再委託することになり、その分が価格に乗ります。当社は米国の同業者と同じ価格帯で、日本語対応を加えた形にしています。
分析試験、パッケージの印刷、物流費、関税は当社の見積もりに含まれません。またProcess Authority による殺菌工程の妥当性確認(レトルト・缶詰の場合)は第三者機関の費用が別途かかります。お見積り時に、含まれるものと含まれないものを明示します。
参考にした一次情報
米国食品医薬品局(FDA)は、施設登録をもって製品を「承認」または「認可」するものではありません。当社はFDAその他の政府機関と提携関係にあるものではありません。