オフィスの机で書類を確認するビジネスパーソン
DUNS番号の申請自体は無料で、難しい書類でもありません。問題になるのは、社名や住所の英字表記が他の登録内容と一致しているかという一点です。

DUNS番号とは

DUNS番号(D-U-N-S Number)は、米国の企業情報会社 Dun & Bradstreet 社が発行する9桁の企業識別番号です。 世界中の企業に固有の番号を割り当て、企業を一意に識別するために使われています。

政府機関ではなく民間企業が発行している番号ですが、米国政府の各種手続きで事実上の標準として採用されています。 発行は無料で、日本の企業も取得できます。

なぜFDAの手続きで必要になるのか

FDAは、FSVP輸入者を特定するためのUFI(固有施設識別子)として、DUNS番号を認めています。

具体的には、米国への輸入申告において各明細行ごとに次の情報の申告が求められます。

FDAは2022年7月24日以降、FSVP輸入者に対し、有効なDUNS番号を所定の欄に記載することを求めています。 この欄が埋まらなければ、貨物は通関できません。

誰のDUNS番号が必要なのか

ここを取り違える方が多いのですが、申告するのはFSVP輸入者(米国企業)のDUNS番号です。日本の製造者のものではありません。

米国側の買い手がFSVP輸入者を務めるなら、その相手のDUNS番号を使います。当社のような第三者がFSVP輸入者を引き受ける場合は、当社のDUNS番号を使います。日本の輸出者自身がDUNS番号を取る必要があるのは、米国に自社法人を持っている場合などに限られます。

所要期間 — 通常30営業日、特急8営業日

ここが実務上の急所です。

処理区分所要期間費用
通常処理最大30営業日無料
優先処理(特急)約8営業日Dun & Bradstreet 社が提供する有料サービス

30営業日は、日本の暦でおよそ6週間にあたります。土日祝を挟むため、体感ではさらに長く感じられます。 加えて、申請内容に確認事項が生じるとここからさらに時間がかかります。

2026年の更新期間との関係

FDA施設登録の隔年更新は2026年10月1日〜12月31日です。この期間中に「DUNS番号が必要だと判明した」場合、通常処理では年内に間に合わない可能性があります。

更新に向けて動くのであれば、9月の時点でDUNS番号の有無と内容を確認しておいてください。詳しくは FDA施設登録の隔年更新(2026年) をご覧ください。

取得の手順

  1. すでに番号を持っていないか確認する— 取引の過程で、知らないうちに割り当てられているケースがあります。まず既存の有無を確認してください。重複取得は混乱のもとです。
  2. Dun & Bradstreet の公式サイトから申請する— 発行元に直接申請します。電話での申請窓口も用意されています。
  3. 企業情報を入力する— 登記上の法人名、住所、電話番号、事業内容などを英語で入力します。
  4. 確認の連絡に対応する— 内容の確認や追加情報の依頼が届くことがあります。ここでの返答が遅れると、そのまま取得も遅れます。
  5. 番号を受領し、社内で共有する— 通関業者、FSVP輸入者、FDA登録の担当者に共有し、記録します。

日本企業がつまずく「表記」の問題

申請自体は難しくありません。実務でトラブルになるのは、ほぼすべてが英字表記の不一致です。

よくある不一致のパターン

対策はシンプルです。先に「自社の英語表記の正」を1つ決めて文書化し、DUNS申請・FDA施設登録・輸出書類のすべてで同じ表記を使ってください。 後から揃えるより、最初に決めるほうが圧倒的に早く終わります。

有料の代行サイトに注意

検索すると、DUNS番号の申請を有料で代行するという第三者サイトが多数見つかります。 発行元への申請自体は無料です。「取得費用」として料金を請求するサイトには注意してください。

なお、Dun & Bradstreet 社自身が公式に提供している優先処理(特急)は有料サービスです。 これは正規のもので、急ぐ場合の選択肢になります。「無料で取れる番号に対して、第三者が手数料を取る」ことと、 「発行元が処理の優先度に対して料金を設定している」ことは別物です。この区別だけ押さえておいてください。

当社が代行費用をいただく場合も、それは申請作業と確認対応の代行に対する料金であり、番号そのものの費用ではありません。

FSVP輸入者をお引き受けする場合、DUNS番号は当社のものを使います

米国側に買い手がいない、または買い手がFSVPを引き受けない場合、当社が FSVP Importer として輸入者の席に座ります。その場合、通関時に申告するDUNS番号は当社のものになるため、貴社側での取得は不要です。

FSVP引受サービスの詳細

自社に何が必要か、3分で分かります

商品カテゴリを選んで質問に答えるだけで、必要な手続きを必須・条件付き・推奨に分けて洗い出します。所管当局・所要期間・費用の目安つきです。無料でご利用いただけます。

無料で規制診断を始める

よくある質問

できます。DUNS番号は世界中の企業を対象としており、日本の法人も取得可能です。ただし、FSVPの文脈で申告が求められるのは米国のFSVP輸入者の番号である点にご注意ください。日本の製造者が自社の番号を取得しても、それがFSVPの申告欄に入るわけではありません。

番号自体に更新期限はなく、一度取得すれば継続して使えます。ただし登録されている企業情報は最新に保つ必要があります。社名変更、移転、法人格の変更があった場合は情報を更新してください。古い情報のままだと、FDAの登録内容との不一致が生じます。

Dun & Bradstreet 社の検索機能で確認できます。過去に米国企業と取引した際や、与信調査の対象になった際に、申請していなくても番号が割り当てられていることがあります。新規申請の前に必ず確認してください。重複して取得すると、どちらが正なのか分からなくなります。

いいえ。DUNS番号は識別子にすぎません。実際の輸出には、U.S. Agent を指名したFDA施設登録FSVPの検証活動、米国の規則に適合したラベル表示、出荷ごとのPrior Notice が必要です。DUNS番号はそのうちの一要素です。

本記事は2026年8月13日時点の情報に基づく一般的な解説であり、法的助言ではありません。制度および発行元のサービス内容は変更される場合があります。実際のお手続きにあたっては、FDAおよび Dun & Bradstreet 社の最新の公表情報をご確認ください。
米国食品医薬品局(FDA)は、施設登録をもって製品を「承認」または「認可」するものではありません。当社はFDA、Dun & Bradstreet 社その他の機関と提携関係にあるものではありません。