2026年の更新期間と基本ルール
米国向けに食品を製造・加工・包装・保管する施設は、FDAへの登録が義務づけられています。これは日本国内の工場も対象で、米国に商品を出すのであれば登録が必要です。
そしてこの登録は一度取れば終わりではなく、2年ごとの更新制です。更新期間は偶数年の10月1日から12月31日までの3か月間に固定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2026年の更新期間 | 2026年10月1日 〜 12月31日 |
| 猶予期間・延長 | なし。12月31日を過ぎると受け付けられません |
| FDAの手数料 | 無料(FDAは登録・更新に手数料を課していません)。実際にかかる費用の内訳 |
| 対象 | 米国向けに食品を製造・加工・包装・保管する国内外の施設 |
| 外国施設の追加要件 | 有効な U.S. Agent(米国内代理人)の指名が必須 |
| 次回の更新機会 | 2028年10月1日〜12月31日 |
注意していただきたいのは、次の機会が2028年であるという点です。四半期ごとや毎年の手続きではないため、社内で担当者が変わると引き継がれず、気づかないうちに期限を越えているというケースが起こりやすい制度です。
更新しなかった場合に何が起きるか
ここが最も誤解されやすい部分です。「更新を忘れても、後から手続きすれば元に戻る」と考えている事業者様が少なくありませんが、実際にはそうなりません。
登録は「一時停止」ではなく「失効」します
更新期間内に手続きが行われなかった登録は、失効(expired)扱いとなります。FDAは、この施設を「登録要件を満たしていない施設」として扱います。
事業を再開するには、更新ではなく新規登録をやり直す必要があります。その際に発行される登録番号は、それまで使っていた番号とは別のものになります。取引先や通関業者に伝えていた番号が使えなくなるということです。
輸入貨物が拒否される可能性があります
登録が必要であるにもかかわらず登録されていない外国施設からの食品は、米国連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)801条(l) に基づき、輸入拒否の対象となります。 具体的には、米国の港で貨物が留め置かれる、通関できない、といった事態が生じます。出荷ごとに提出する Prior Notice でも、登録内容との不一致として表面化します。
登録・更新を怠った場合の取扱いは、連邦規則 21 CFR § 1.241 に定められています。未登録の状態で米国内に食品を流通させる行為は、FD&C Act 上の禁止行為に該当します。
実務上、最も痛いのは「時間」です
罰則そのものよりも、事業者様にとって現実的な打撃は出荷が止まる期間です。新規登録をやり直し、必要に応じてU.S. Agentを再指名し、新しい登録番号を取引先と通関業者に周知するまでの間、米国向けの出荷は動きません。
年末年始の商戦期に重なると、1シーズンを丸ごと失うことになります。
更新に必要な情報
更新手続きでは、登録内容が現在も正しいかを確認し、変更があれば反映します。求められる主な情報は次のとおりです。
- 施設の法人名・所在地(登記上の名称。日本語表記ではなく英字表記)
- 屋号・商号(trade names)があればその情報
- 施設の所有者・運営者の情報
- 施設で行っている活動の種別(製造、加工、包装、保管など)
- 取り扱う食品のカテゴリ
- 緊急連絡先
- UFI(固有施設識別子)= 現在はDUNS番号が用いられます
- U.S. Agent の情報(外国施設の場合は必須)
手続きは FDA Industry Systems(FIS)というオンラインシステム上で行います。アカウントを保有していない場合、あるいは前回の登録を代行業者に任せていてアカウント情報が手元にない場合は、まずそこから確認が必要です。
日本の施設がつまずく3つの落とし穴
1. U.S. Agent と連絡が取れない
外国施設の登録には U.S. Agent の指名が必要で、有効な U.S. Agent がいなければ更新は完了しません。
よくあるのが、以前の取引先である米国のインポーターや商社に U.S. Agent を引き受けてもらっていたものの、取引が終了して連絡が取れなくなっているというケースです。 この場合、更新期間中に新しい U.S. Agent を確保する必要があります。相手の同意が必要な手続きなので、期間に入ってから探し始めると間に合わないことがあります。
2. DUNS番号の取得・修正に時間がかかる
UFI として用いられる DUNS番号は Dun & Bradstreet 社が無料で発行しますが、取得に30営業日以上かかることがあります。 新規取得だけでなく、社名や住所の表記がFDA登録内容と一致しない場合の修正申請にも同様に時間がかかります。
12月に入ってから「DUNS番号が必要だと分かった」という状況では、更新期間内の完了はほぼ不可能です。
3. 担当者の異動で引き継がれていない
2年に1度の手続きであるため、社内の年次業務サイクルに乗りません。前回対応した担当者が異動・退職していると、そもそも更新が必要であること自体が認識されていないことがあります。 FDAからのリマインドを前提にせず、自社側で期限を管理する仕組みが必要です。
U.S. Agent が不在の場合、当社がお引き受けします
Yorozu LLC はカリフォルニア州の米国法人です。U.S. Agent として登録の更新手続きから、その後のFDAとの連絡対応まで日本語で承ります。更新期限の管理も当社が行います。
更新代行の内容を見る更新手続きの流れ
- 現在の登録内容を確認する— 登録番号、登録されている施設情報、指名されている U.S. Agent を確認します。FIS のアカウント情報が必要です。
- U.S. Agent の有効性を確認する— 現在指名している相手が引き続き引き受けてくれるか、連絡が取れるかを確認します。不在であれば新たに確保します。
- DUNS番号の内容を確認する— 社名・住所の表記がFDA登録内容と一致しているかを確認します。相違があれば修正を申請します。
- 変更点を整理する— 施設情報、取扱品目、連絡先などに変更があれば反映内容をまとめます。
- 更新期間内に申請する— 10月1日から12月31日の間に FIS 上で手続きを行います。
- 完了を確認・記録する— 更新完了の記録を保管し、次回(2028年)の期限を管理台帳に登録します。
いつ着手すべきか
当社は9月中の着手をお勧めしています。理由は3つあります。
第一に、U.S. Agent の変更が必要になった場合、相手方の確認と合意に時間がかかります。第二に、DUNS番号の新規取得や修正が必要と判明した場合、30営業日以上を見込む必要があり、10月に着手しても年内に間に合わない可能性があります。第三に、更新期間の後半は申請が集中します。
逆に言えば、9月の時点で「登録内容の確認」と「U.S. Agentの確保」さえ済ませておけば、10月に入ってからの手続き自体は短時間で終わります。負担が大きいのは手続きそのものではなく、その前段の確認作業です。
自社に何が必要か、3分で分かります
商品カテゴリを選んで質問に答えるだけで、必要な手続きを必須・条件付き・推奨に分けて洗い出します。所管当局・所要期間・費用の目安つきです。無料でご利用いただけます。
無料で規制診断を始めるよくある質問
いいえ。食品に「FDA承認」という制度は存在しません。施設登録は、FDAに施設の存在を届け出る手続きであり、製品の安全性や品質をFDAが審査・承認するものではありません。「FDA承認済み」といった表示は不適切であり、FDAが問題視している表現です。
かかりません。FDAは食品施設の登録および更新について手数料を徴収していません。費用が発生するのは、代行業者に手続きを依頼する場合の作業料金や、U.S. Agent サービスの利用料のみです。「FDAへの登録料」を請求する業者には注意してください。
まず、当時の業者に FIS のアカウント情報と登録番号の確認を依頼してください。連絡が取れない場合や情報が引き継がれていない場合は、状況の整理からご相談いただけます。登録が現在どうなっているかの確認は、更新作業そのものより時間がかかることがあります。早めの着手をお勧めします。
新規登録の手続き自体は行えますが、更新とは扱いが異なり、新しい登録番号が発行されます。また、失効している間に米国へ向けて出荷された貨物は輸入拒否の対象となり得ます。取引先や通関業者への番号の周知も必要になるため、更新期間内に手続きを終えることを強くお勧めします。
要件は「米国内に事業所または住所を持ち、物理的に米国に所在すること」です。この要件を満たす個人または法人であれば指名できます。ただし、FDAからの連絡に確実に応答できる体制が実質的に求められる役割です。駐在員の帰任などで連絡が途絶えるリスクを考えると、継続的にその役割を担う先を選ぶことをお勧めします。
参考にした一次情報
米国食品医薬品局(FDA)は、施設登録をもって製品を「承認」または「認可」するものではありません。当社はFDAその他の政府機関と提携関係にあるものではありません。