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Prior Notice とは何か
Prior Notice(事前通知)は、米国に食品を輸入する際、貨物が到着する前にFDAへ内容を届け出る手続きです。 何が、どこから、いつ、どの施設で作られて入ってくるのかをFDAが事前に把握するための制度です。
施設登録が「施設の届出」、FSVPが「供給者の検証」であるのに対し、Prior Notice は「個々の貨物の届出」です。 したがって出荷ごとに、毎回必要になります。
輸送手段ごとの提出期限
期限は輸送手段によって異なります。日本からの輸出で関係するのは、主に海上と航空です。
| 輸送手段 | 提出期限 | 備考 |
|---|---|---|
| 海上輸送 | 到着の8時間前まで | 日本からのコンテナ輸送はこちら |
| 航空輸送 | 到着の4時間前まで | サンプル・小ロット・生鮮品で多い |
| 陸路(鉄道) | 到着の4時間前まで | カナダ・メキシコ経由の場合 |
| 陸路(道路) | 到着の2時間前まで | 同上 |
| 国際郵便 | 米国へ発送する前 | 時間ではなく「発送前」。投函してからでは遅い |
国際郵便だけルールの形が違います
他の輸送手段が「到着の◯時間前」であるのに対し、国際郵便は「米国へ発送する前」と定められています。時間数ではありません。
サンプルを郵便で送る場面は少なくありませんが、郵便局に持ち込む前に提出を済ませておく必要があります。投函後に気づいても取り返しがつきません。
早すぎてもいけない — 提出できる期間
「余裕をもって早めに出しておこう」と考えても、無制限には遡れません。提出可能な期間には上限があります。
| 提出方法 | 最も早い提出 | 主な利用者 |
|---|---|---|
| ABI / ACE 経由 | 到着予定日の30暦日前まで | 通関業者が使う仕組み |
| PNSI FDA Prior Notice System Interface | 到着予定日の15暦日前まで | 自社で提出する場合 |
つまり運用としては、「到着予定日の2週間前から、到着8時間前まで」のどこかで提出することになります。 実務では、船積みが確定した段階で出しておくのが安全です。
送信しただけでは完了しない
ここが見落とされやすい点です。
確認番号が発行されて、初めて完了です
提出は、FDAが審査のために受理を確認し、Prior Notice 確認番号(PN Confirmation Number)を発行した時点で完了したものと扱われます。
送信ボタンを押しただけでは完了していません。時間要件の起算も、この確認番号の発行が基準です。
したがって「8時間前ちょうどに送信」では危険です。入力内容に不備があれば差し戻され、修正して再提出する時間が必要になります。 余裕をもった提出が、そのままリスク管理になります。
最も多い失敗 — 登録内容との不一致
Prior Notice には、製造施設の情報や登録番号を記載します。ここで施設登録の内容と食い違うと、貨物が止まります。
- 施設登録が失効している — 隔年更新を逃していた、というケース
- 登録番号の記載間違い — 桁の写し間違い、旧番号のまま
- 施設名・住所の英字表記が一致しない — DUNS番号の記事でも触れた、表記ゆれの問題
- FSVP輸入者の情報が空欄・誤り — FSVPの申告欄が埋まっていない
- 食品カテゴリの選択が実際の商品と違う
誰が出すか、を決めておく
Prior Notice は、次のいずれかが提出します。
- 米国側の通関業者 — 最も一般的。ABI/ACE 経由で他の通関手続きとまとめて処理
- 輸入者 — 自社で PNSI から提出
- 代行業者 — 当社のような第三者が引き受ける
「誰かが出しているだろう」が一番危険です
出荷のたびに発生する手続きのため、担当が曖昧なまま運用が始まると、いつか誰も出していない回が生まれます。特に、通常と違う出荷(サンプル送付、展示会用の少量輸送、郵便での発送)で漏れやすくなります。
最初の出荷の前に、「誰が」「いつまでに」「確認番号をどこに記録するか」を決めて文書にしてください。
Prior Notice の提出をお引き受けします
1回$50、または月額$200で回数無制限です。施設登録やFSVPとあわせてお任せいただくと、登録内容と通知内容の不一致を防げます(貨物が止まる原因の多くがここです)。確認番号の記録・管理も当社で行います。
Prior Notice 代行の詳細よくある質問
商用目的で米国に輸入される食品であれば、量の多寡にかかわらず対象になります。展示会用のサンプルや、バイヤーへの送付も含まれます。むしろこうした通常フローから外れた出荷こそ、提出が漏れやすい場面です。国際郵便で送る場合は「発送前」に提出する必要がある点にもご注意ください。
貨物が港で留め置かれます。到着してから提出しても、その間の保管費用が発生し、生鮮品や冷蔵品であれば品質にも影響します。スケジュール全体が崩れる形での損失が実質的な打撃になります。
提出後に到着予定や貨物内容が変わった場合は、変更を反映する必要があります。船のスケジュール変更は珍しくないため、提出して終わりにせず、出荷までの変更を追える運用にしておいてください。誰が変更を把握し、誰が反映するかを決めておくことが実務上のポイントです。
多くの場合は問題ありませんが、通関業者が持っている情報が最新かどうかは別問題です。施設登録を更新して番号が変わった、U.S. Agent を変更した、FSVP輸入者が替わった。こうした変更を通関業者に伝えていなければ、古い情報のまま提出されます。登録側に変更があったときは、必ず通関業者に共有してください。
参考にした一次情報
米国食品医薬品局(FDA)は、施設登録をもって製品を「承認」または「認可」するものではありません。当社はFDAその他の政府機関と提携関係にあるものではありません。